面格子とは?
仕切り・採光・通風機能が重宝な「面格子」
面格子の特徴は、外と中を仕切りながらも採光性、通風性に優れていることです。古くは平安時代後期から引き違いの格子戸が広く使用されるようになったといいます。また、戦国時代の城は、すべての窓に頑丈な角材で格子を張り巡らせて敵の侵入を防いだそうです。戦国時代同様、現代でも外部からの不法侵入を防ぐ目的に使われることが多く、廊下側の窓などに丈夫な金属製の「防犯用固定面格子」が利用されています。
非常開放面格子って何?
いざというときは飛び出せる「非常開放面格子」
がっちりと窓に取り付けた防犯用固定面格子は、外から中への侵入を防ぐ点では安心ですが、容易に取り外せないことが大きな欠点となる場合があります。万が一の非常時、火災や地震などが発生した場合「面格子があったために脱出経路が絶たれ逃げ遅れた」という悲惨な事態が過去にありました。そこで考案されたのが「非常開放面格子」です。防犯性を保持しながらも、いざというときは簡単な操作で開放できる優れものです。
非常開放面格子開発のきっかけ
悲惨な事故を教訓に「非常開放面格子」を開発
「非常開放面格子」の取り付けが行政条例で義務づけられている市町村(兵庫県尼崎市や西宮市など、現在は行政指導)があります。なぜ義務化されるほど厳しく規制されているのでしょうか。
実は、この「非常開放面格子」を開発したきっかけは、尊い命が奪われた痛ましい事故からでした。
昭和63年(1988年)9月4日、兵庫県西宮市内で火災が発生。炎の密室となった3LDKの共同住宅には共用廊下に面した窓に面格子が取り付けられていました。燃えさかる炎の中からご夫婦と中学生の息子さんは助けを求め、面格子の窓から差し出す手に救助は届きませんでした。面格子を外して脱出できれば・・・。救助の大学生や消防隊員の目の前でご家族は焼死されたのでした。
西宮市消防局予防課は「共同住宅は耐火構造で延焼防止に重点を置いているため避難への安全対策が十分でない」と判断、防災・防火のための「非常開放面格子」の開発を建材メーカーに呼びかけました。
当社は、早速、他社に先駆けて開発に着手。昭和63年(1988年)10月、非常開放面格子「トビデール」を開発、発表いたしました。その後、研究、改良に注力し、鎖工法による格子スライド方式を開発(わが国をはじめ米国、韓国、台湾、中国での特許取得)、他社の追随を許さぬ商品に成長しました。